Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

しかし、これ程の復讐を受ける覚えはないのです。そんな相手は全く心当りがないのです」

川手氏は、博士の疑い深い質問に、少し怒りをあらわして答えた。

「ですがね、恨みという奴は、恨まれる方では左程に思わなくても、恨む側には何層倍も強く感じられる場合が、往々あるものですからね」

「なる程、そういうこともあるでしょうね。さすが御商売柄、犯罪者の気持はよく御承知でいらっしゃる。しかし、わたしには、どう考えて見ても、そんな心当りはありませんね」

川手氏は益々不快らしく云い放った。

「あなたの方にお心当りがないとしますと、例の指紋が、今のところ、唯一の手掛りですね。実は昨夜のうちに、警視庁の指紋原紙を十分調べさせたのですが、十五年勤続の指紋主任も、三重の渦状紋なんて見たことも聞いたこともない。指紋原紙の内には、無論そんなものはないということでした」

「化け物だ」

宗像博士が、何か意味ありげに、低い声で呟いた。それを聞くと、川手氏は脅えたように、キョロキョロとあたりを見廻した。さりげなく装っているけれど、心の底では、何者か思い当る人物があるらしく見える。

「中村さん、宗像さんも、何とかして娘を取戻して下さる訳には行かんでしょうか。