Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

運送屋が帰るのと入れ違いに、待ち兼ねていた鑑識課の指紋係が、指紋検出の道具を携えて入って来た。窓のガラスだとか、襖の框や引手だとか、家の中のあらゆる滑かな箇所が、次々と検査されて行った。その結果を簡単に記すと、不思議なことに、屋内の滑かな物の表面は、悉く布様のもので拭き取った形跡があり、指紋らしいものはどこにも発見されなかったが、ただ一つ、流石にここだけは拭き忘れたのか、便所の中の白い陶器の表面に、幾つかの指紋が検出された。そして、その一つに、問題の三重渦状紋がはっきりと残っていたのである。

刑事達は歓声をあげんばかりであった。愈々三重渦巻の怪犯人は北園竜子と決ったのだ。老婆が云った四十五六の情夫というのが相棒かも知れない。噂によれば竜子は非常に若々しく見える、風にも堪えぬ風情の、なよなよとした美人だという。ただ、いくら尋ね廻っても写真が手に入らぬのが残念だが、附近の人々は口を揃えて、その美貌を説き聞かせてくれる。妖魔だ。今の世の妲己のお百は、逞しい情夫と力を合せて、残虐の数々を演じ、忽然として大都会の唯中に消え失せたのだ。

やがて、中村係長の命を受けて、四方に散っていた刑事達が、次々と帰って来た。