Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

は預って置いた鍵を取出して、ドアに締りをした。

夜が更けるに従って、邸内は墓場のように静まり返って行った。町の騒音ももう聞えては来なかった。女中達も寝静まった様子である。

宗像博士は、強い葉巻煙草をふかしながら、安楽椅子に沈み込んで、ギロギロと、鋭い目を光らしていた。庭では小池助手が、これも煙草を吸いつつ、椅子にかけたり、椅子の前を歩哨のように行きつ戻りつしたり、睡気を追っぱらうのに一生懸命であった。

十二時、一時、二時、三時、長い長い夜が更けて、そして、夜が明けて行った。

午前五時、廊下の窓に清々しい朝の光がさしはじめると、宗像博士は安楽椅子からヌッと立上って、大きな伸びをした。とうとう何事もなかったらしい。流石の復讐鬼も、二重三重の警戒陣に辟易して、第二幕目の開幕を延期したものらしい。

博士はドアに近づくと、軽くノックしながら川手氏に声をかけた。

「もう夜が明けましたよ。とうとう奴は来なかったじゃありませんか」

返事がないので、今度は少し強くノックして、川手氏を呼んだ。それでも返事がない。

「おかしいぞ」

博士は冗談のように呟きながら、手早く鍵を取出し、それでドアを開けて、室内に入って行った。