Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lisez 愛のごとく (あいのごとく) de 山川 方夫 (やまかわまさお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 103 908 caractères · 210 écrans

Aozora Bunko

そして全員がトラックに入ると、鋭く口笛の音がきこえ、とんできた二十本入りの煙草の箱が信二の額にあたった。「サンキュウ、サンキュウ」マネージャーの安達はすぐ拾い上げて、幌のうしろに身をのり出しながら叫んだ。

信二は指を鳴らした。彼はだまっていた。なにかをいったところでたぶん無駄だったし、要するにおれは戸惑っているにすぎないんだと思った。目白押しに幌の中に坐った人びとは愉快そうにおしゃべりをつづけている。信二はすこし滑稽をかんじた。彼らは、うすっぺらい朗らかさの波を立てつづけている池にすぎず、その池は彼の前で弧をとざしている。彼らは、信二の兄がトランペットを吹く楽団の連中、バンド・ボーイとして彼にその日から一回二百五十円を支給する約束をした人びとにすぎなかった。信二は彼らの仲間ではなく、また仲間になることをのぞんでいるのでもなかった。楽器ケースにはさまれたへこんだビールの缶を、信二は幌のうしろに投げた。

兄は横板を半分に折った座席から立ってくると、跳びはねるような震動のなかで、彼の首に自分の絹のマフラアを巻いた。「めずらしがってちゃだめだぞ」と、兄は低くいった。