Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

われにそむく

我に叛く

宮本 百合子

Lisez 我に叛く (われにそむく) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 414 caractères · 59 écrans

Aozora Bunko

「私だって、仕事も出来ずに生きていようとは思わなくってよ。ね。おかあさま、信じて頂戴よ。何か遣れる人間だということを信じて頂戴よ。ね、おかあさまに、絶望されるのは、一番堪らないわ、全く……」

自分も涙に濡れながら、ゆき子は、そっと湿った後れ毛を母の頬から掻きのけた。

三

××大学から、真木宛の「速達」が廻送されて来たのは、丁度それから間もない午後のことであった。

亢奮の後の疲労と深い憂愁とで、ゆき子は、ぼんやり畳廊下の柱に凭(もた)れながら、考えに沈んでいた。

彼方では小さい妹が、首を振り振り力を入れてオルガンを踏みながら、あどけない歌を唱っている。素絹(すずし)のような少女の声と、楽器の単音が、傾いた金緑色の外景とともに、微かな寂寥を漂わせる。

彼女は、今更のように、複雑な人間の愛を思っていた。

そこへ、女中が来た。そして思いがけない「速達」が手渡しされたのであった。

葉書は、始め彼等の家の方へ配達されたのを、隣家の好意で、また×町まで廻されたのだそうだ。何か、新入学生資格詮衡のことに就て、委員である真木が、明朝十時から、是非とも出席を要する会議の通知なのである。