Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つめ

探偵クラブ 烙印

大下 宇陀児

Lisez 探偵クラブ 烙印 (つめ) de 大下 宇陀児 (おおしたうだる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 509 caractères · 103 écrans

Aozora Bunko

「なにね、マミイの奴が来て悪戯をして困るんさ。ほら、ここにはこんな恐ろしい奴があるのだからね」

竹中は硝子製の小さな容器を指し示した。横に貼り付けられたレッテルには、Tenanus facillen と書いてあった。

「何だねこれは?」

「うん、破傷風菌だ。こいつの集落をマミイの爪にでも喰付けられたら、どんなことになるかも知れない。間違って君でも引掻いたものなら助からないぜ」

「傷口から感染するんだね」

「そうだよ、こいつにやられると、先ず大抵は絶望だ。殊にね、この病気の患者にとって一番不幸なことは、恐ろしい強直発作が来た時にね、患者の意識が至極明瞭だということなのだ。医者の方では何とかいっているが、発作が来ると、患者は泣笑いのような顔になって、頭と踵とだけで弓のように反ってしまう。汗をだらだらと流して、とても見てはいられないそうだ」

「苦しいんだね」

「苦しいとも! こいつにやられては、どんなに我慢強い男でも、ヒーヒーといって泣き喚く、それが又、聞くに堪えない悲鳴なのさ」

その時はこれだけの会話で済んでしまった。が、間もなく沖野は、自分の下宿の一室で、ひょいとこの会話を思出して、我知らずゾクンと頸を縮かめた。