Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lisez 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 103 349 caractères · 207 écrans

Aozora Bunko

いつものように弐拾円ばかりの金は、原稿用紙の下に入れると、誰もいないきやすさに、くつろいだ気持ちで、押入れの汚れものを見てみる。

「あのお手紙でございます。」

女中が持って来た手紙を見ると、六銭切手をはった、かなり厚い女の封書。

私は妙に爪を噛みながら、只ならぬ淋しさに、胸がときめいてしまった。私は自分を嘲笑しながら、押入れの隅に隠してあった、かなり厚い、女の手紙の束をみつけ出した。

――やっぱり温泉がいゝわね、とか。

――あなたの紗和子より、とか。

――あの夜泊ってからの私は、とか。

私は歯の浮くような甘い手紙に震えながらつっ立ってしまった。

二人の間はかなり進んでいるらしい。温泉行きの手紙では、私もお金を用意しますけど、貴女も少しつくって下さい、と書いてあるのを見ると、私はその手紙を部屋中にばらまいてやった。

原稿用紙の下にしいた弐拾円の金を袂に入れると、涙をふりちぎって外に出た。

あの男は、私に会うたびに、お前は薄情だとか、雑誌にかく、詩や小説は、あんなに私を叩きつけたものばかりじゃなかったか。

豚!

インバイ!

あらゆるのゝしりを男の筆の上に見た。