Classiques japonais avec furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lisez 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 454 caractères · 357 écrans
「私どものように外で商売をするものは、身投げなどに縁起をとるものでしてね。今夜も宿を出るときは此処でしないことに考えていたんですが、いつの間にか始めてから気がついたんですよ。」と言って、かれは寒そうに肩をすぼめた。れいの少年はやはり歳太郎と同じい姿勢で跼んで、こつこつと石と石とを叩いていた。乾いた変な音がして気になって仕方がなかった。歳太郎もやはり気になるようにちょいちょい振り顧ったが、少年はそれに気づかないで叩いていた。
かれも歳太郎も黙っていたが、ふいに、歳太郎はこう尋ねた。
「あの女を見たことがありますかね。白い顔をした――。」と言いながら、ちらと暗い目つきでかれの顔をながめた。
「二三度見たことがあるんだ。そこらの通りでね。」
かれは、いつか彼女がにんがりと微笑って行ったことを思い出した。それきり又かれらは黙っていた。
少年は依然として石をこつこつ叩いていた、乾いた音がした。
「おい、そんな変な音を立てるなよ。詰らない。」
歳太郎は神経的に言うと、音はすぐ歇んだ。それきり話が女のことに移らなかった。
明るい通りへ出ると、歳太郎は真蒼な顔をしてかれに囁いた。