Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans
と、ついそこらへでも出かけるように、旅立ってしまった。
洲股から栗原山までは、そう遠くもない。約十里もあろうか。晴れた日は、養老の峰つづきに、模糊と見えるくらいな距離である。
だが、一水の彼方は、三本木の砦、川並の砦、杭瀬の砦、大垣の城地と、往来という往来、すべて敵の要塞でないところはない。
で――藤吉郎は、遠く道を迂回して、養老郡の山づたいに、不破へはいった。
郷土人の人情や特性を知ろうとするならば、その郷土の山川風土を先に見るに如くはない。
不破郡は、美濃の西部山岳の麓であり、京街道への喉くびに当っている。
関ヶ原の秋草は美しい。
無数の川が、静脈のように縦横に走っている。
古い歴史と、数々の物語は、しかしみな血なまぐさい過去の碑として、秋草の根に残っている。
養老の峰々は、江州との国境をなし、伊吹の山には、たえず雲が去来していた。
竹中半兵衛重治は、この辺に生れた。――生れたのは稲葉山だというが、幼少から、その多くは伊吹山麓の岩手で育った。
岩手には、父重元以来の岩手城を持っていた。
砦造りの山城であるが、小なりといえども一城の子であった。