Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans
「じゃあ母上、お供して参ります。いきなり合戦に出会うなどということは、御奉公には幸先のよいことですが、武運次第では、これがお別れにならないとも限りません。……その折りは、茂助はなかった子と、おあきらめ下さいまして」
さすがに、別れるとなると、母子は切なそうであった。藤吉郎は、見ているに堪えなかった。軒端を離れて、麻畑から真っ暗な山の根を見まわしていた。
老母は、いざと立ち出て行く息子を、
「茂助、茂助」
と、呼び返して、
「これに水を入れて、持っておいで。途中、必ずお渇きになるに違いない」
と、壁に吊ってあった大きな瓢を外して手渡した。
「これはよい物を」
と、藤吉郎のみでなく、彦右衛門も他の者もよろこんだ。
これまでの途中も、水に窮したことは一通りではなかった。瑞龍山一帯、巌石の峨々たる山なので、清水のわき出ている場所は極めて少ない。
そしてまた、峰の上へ出れば出るほど、水が乏しい。大きな瓢なので、この一瓢に水を張って行けば、十人の渇をしのぐには充分足りる。
小屋を出て闇を歩き出した。絶壁へかかると茂助は鉤縄を投げて、岩松の根にかけ、自分が先へよじ登っては、一同を引っぱり上げた。