Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

朝倉景行は、一乗谷へ帰ると、その由を、主君の義景にはなした。

義景は、光秀を見て、

「当家に仕えぬか」

といった。

そして彼が鉄砲の妙手と、景行から聞いていたので、城下の安養寺境内に、射を築いて、鉄砲を撃たせてみた。

光秀は、鉄砲を撃つ技よりも、鉄砲の製作、解体、硝薬などの学問に詳しかったし、自分の自信もそれにあったが、

「これを撃つ技などは、卒伍のすることで、自分の能事ではありません」

などといっては、折角の機会を逸するので、義景の前で、弾百発を乞い、内六十八発を、的にあてて技を示した。

義景は嘆賞して、

「ぜひ、当家に止まれ」

と、城下に邸宅を与え、禄千貫を供し、家中の子弟百人を選抜して彼の下に、新しく鉄砲組を組織した。

光秀は、逆境を脱した。

正直に、義景の恩に感じ、また自分の努力に、一層の自信を持った。――まったく朝倉家に仕官してからの幾年かは、他意なく、この恩遇と幸運に怠るまいと努めたのだった。

その急激な忠勤ぶりは、やがて同列の者から忌われだした。たださえ、べつな眼でみられやすい新参であるのに、光秀に諂えない自負心があるし、知識人らしい持前のにおいがある。