Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

看板名には、

塗師宗祐

と、あるが、宗祐は、実は彼の風雅の道の号で、人は誰も「宗祐さん」とはよんでくれない。

(あれで、あの男にも、風流気があるんだから可愛いよ)

などと世間にいわれているが、その方では、この男のほうが、かえって世間より自信がありそうで、

(おまえ達に、風流の道など、何がわかる)

と、云いたげであった。

彼のもっとも自信のあるのは「香道」で、香は、その道の大家志野宗心に教えをうけたものだという。また、茶道は、もう数年前に亡くなっている人だが、この町の武野紹鴎について、一通りは学んでもい、その方では、この町の大きな魚問屋でまた、十人衆の一人でもある千宗易と、同門下であった。

しかし、何といっても、茶や香道などでは、世間は彼を認めていない。世人が彼に尊敬を払っているのは、やはり本業の漆工で、わけてもその鞘作りと塗りの上手にあった。

彼の手に作られた鞘は、実に鞘すべりがよいというので、「そろり鞘」と、珍重されていた。それがいつか通称となって、今では誰も彼をさして、杉本新左衛門殿とか、杉本宗祐さんとか、本姓や雅号を呼んでくれる者はない。

――塗師の曾呂利