Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 320 caractères · 398 écrans

Aozora Bunko

――といっても、人浪に揉まれるし、後から急がれるし、肝腎な信長の顔もすがたも見えはしなかった。ただ、

「あれが三位信忠卿」

「今、向うへ行かれたのが、織田源五様」

「こちらを見て、笑っていらっしゃるのが、北畠中将信雄卿ではないか」

などとせめて一門の歴々を、遠くから望む程度で満足し合っていた。

いや、一般の者が、満足もこえて、感激にひれ伏したのは、はからずも、この安土城のうちにかつてありとも聞いていなかった「御幸の間」を、この日、拝観したことであった。

安土に「御幸の間」があろうとは、一般には、きょうまで、思いも及ばなかったことである。

いつかは、主上の行幸をここに仰いでと、人知れず忠誠を心がけていた信長の用意を今知るとともに、人々は、

「こうして、恭しくも、至尊の玉座を眼のあたりに拝観するとは、一生の思い出。ありがたい極み」

と、ここへ来ると自然、雑鬧の人波もみな自発的にひそまり返って、階の下、廊の陰など、思い思いに額ずき合った。

こうして、年賀の群集は、次々に殿中の座敷を見物して歩いた。狩野永徳のふすま絵に佇み、繧繝縁や高麗縁の畳に目をみはり、みがき立てた金壁に気もすくみ、恍惚とした心地で白洲へ降りると、