Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

にもかかわらず、その饗宴の第一日を前にして、突然、光秀の役目を解かれたのはどういうわけか。当の賓客たる家康はなお安土にいるのに、接待役を交代させられて、急遽、本国へ引き揚げて来た光秀には、いったい如何なる身辺の変が起ったのか。

左馬介も、這般の消息はまだふかく聞いていないが、今暁、ここの城門をたたく者があって、云々の由を、寝耳に聞かせられたときから、彼としては、

(さてはまた何事か、信長公の感情にふれたな)

と察して、光秀の顔をここに見るまでは、ひそかに胸を傷めていたものであった。

案のじょう今朝城門に迎えたときから、光秀のけしきはすぐれて見えなかった。しかしこの人のこういう深刻な陰を眉目に見るのは、左馬介としてさほどな驚異ではなかった。なぜなら広い世の中にも、自分ほど光秀の性情をよく知っているものはないはずと、彼は信じて疑わないだけの過去を持っていたからである。

十六、初めて加冠して、十兵衛光秀と彼が名乗った頃、左馬介光春はまだ九歳ぐらいで、名も弥平次とよばれ、元服の席のもようを珍しげに、母のそばから眺めていたものであった。

その加冠の儀式も、十兵衛光秀という名を選んで与えた者も、実に、左馬介の父三宅光安であった。