Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

「すわ」

と、ほとんど着のみ着のままで、一度は邸外へ躍り出たのであった。

ただ見るほどの暗い朝霧の中いちめんに、濛々と立ちけぶっている物の具きびしい騎馬剣槍を見るや、長門守はまた急いで邸内に引っ返し、よろい櫃を覆えして、具足を着こみ、打物とって、

「つづけ」

と、子息二人、その余の者、ひっくるめて、三、四十人を手兵とし、信長の側へ駈けつけようとしたものであった。

とはいえもちろん、本能寺を中心として、八方の大路小路は、明智の諸部隊が手分けして、瞬時に交通を遮断していた。衝突は西の築土の角あたりから始まって、猛烈な白兵戦を展じ、哨戒の一小隊を衝きくずして、惣門のやや近くまで迫ったが、ひとたび明智方の中堅がそれを顧みて、

「小癪な」

と、槍を揃えて来るや、ほとんど、歯も立たないほど突き立てられ、長門守父子も傷を負うし、小勢の味方は半数に打ち減らされてしまったので、

「この上は、妙覚寺へ参って、信忠卿と一手にならん」

と、道をかえて奔り出した。

振り向いて、本能寺の大屋根を仰ぐと、そのとき初めて、雷雲のような真っ黒な煙が、噴きのぼっていた。

坊中へ火を放った者は、寄手の明智か、信長の家臣か、また信長自身か、今は到底、それらの行動をつぶさに見分け得るようなここの状況ではない。