Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

悲惨はいうもおろかである。さはいえまた、極まりなく美しい生命の業火よとも仰がれた。

ただしその炎へ身を挺しなかった人々もないことはない。それらはもちろん武門以外の者に限られていた。本能寺常住の老僧や庫裡の僧たちは逸早く禍いをまぬかれた。明智勢の方でも寺僧を殺戮する意志はないので、僧形の者と見れば、むしろ積極的に脱出を援けたのである。

あわれなのは女達だった。火とともに信長から「落ちよ、逃げよ、女どもに仔細はない」と追われるように急かれても、彼女たちにはここを遁れ出る道があろうとは思えなかった。寺僧の群れと一緒に明智軍の中を駈け抜けても、武者輩は婦女子になど目もくれなかったであろうが、怖ろしくて近づきも得ず、ただ火の下を逃げ惑ったのはぜひもない。

これは、後に分ったことであるが、それでも彼女たちの大部分は、一命を取りとめ得ていた。

火が鎮まって後、池の中からぞろぞろ這い上がって来たのである。被衣やうちかけなどを濡らして頭からかぶったまま、蓮の如く池の中に浸って、焼け落ちる伽藍と信長の終焉を目のあたりに見つつ、

(この世のことか)

と、茫然、火の粉の下に半ば自失していたものである。