Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans
「うむ。よかろう」
図面を九右衛門に返し、実地に対しても、自信をふかめると、秀吉は、ふたたび馬にのって、
「帰るぞ」
と、幕僚たちの上に呼ばわってから、工事奉行、吉田六郎太夫、千原九右衛門のふたりへ云った。
「ここの山際から、彼方、石井山の蛙ヶ鼻の下まで、筑前が馬を走らすゆえ、その馬蹄のあとを、築堤の縄とりとせい。よろしいか」
「しばらくお待ちを」
ふたりは、附近の民家へ、人夫をはしらせ、何ごとか早急にいいつけ終ってから、秀吉に再度答えた。
「よろしゅうございまする」
「よいか。さらば、こう引け」
と秀吉は、まっすぐに東へ馬を向けて駈けだした。
門前――福崎――原古才――その辺までは竿を置いたように直線を描き、原古才から蛙ヶ鼻までは幾ぶん弓なりに内ぶところを拡げてゆく。
九右衛門と六郎太夫は、騎馬の幕僚たちと、秀吉とのあいだを馬で追いながら、時々、何か白い粉を落して行った。麦の粉か小米の粉であろう。白い線が地にのこる。
振り向くと、その後を辿ってもう幾人かの人夫が、築堤線に杭を打っていた。
秀吉は、蛙ヶ鼻へ立って、
「これでよかろう」
左右へいった。
いま引いて来た一線を堤と見、これに七川の水を入れると、ちょうど半開きになった蓮の葉形の巨大なる湖ができあがる。