Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

市松、虎之助のふたりほど伴ったらよかろう。なるべく和やかに扮装って」

「はい」

ふたりは去る。

秀吉もそこを出て、ふたたび奥の雛の間へ帰って来た。

はて、もう誰もいないのか。

と、彼は襖の外であやしんだ。あんなにはしゃいでいた女童たちの声が少しもしない。ひそとして、無人のように感じたからであった。

市松がうしろから手をのばして彼の前の襖を開けた。

見れば、秀家もいる。また秀家の妹も、ほかの女童も侍女たちも、いることはそこにいた。

けれどひどく前とは空気がちがっていた。みな黙りこくって、雛壇の前に坐っている雛の客に眼をすえていた。秀吉の代りとして、そこにいよと命じられた小姓の加藤虎之助は、

(主命もだし難く……)

といわんばかりな顔して、迷惑を怺えながら、厳然と、両手を膝において坐っていた。孤軍の中に、一方の口をひとりで守っているような眼で、侍女や女童たちを睨みすえていた。

膝のまえに、菓子の高坏がおいてあるが、手もふれてない。盃に酒がついであるが、飲みほしてもない。

初めはいろいろ、からかわれたとみえて、頬に白粉をつけられたり、背に紙きれをさげられたりしているが、虎之助は、