Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 757 caractères · 375 écrans

Aozora Bunko

――不意に。

耳もつぶれるような小銃の音が東側の高地からとどろいた。

鬱蒼の断層は、その銃声と同時に、硝煙につつまれて、

だ、だ、だだだッ――

ザザザザ

と、凄まじい物音を起した。大木の転がるような、また、土砂のくずれ落ちてゆくような音だった。

が、それは皆、弾に中った人馬のかさなり落ちてゆく響きだった。

「やっ、敵ぞっ」

「羽柴勢っ」

愕然と、うしろを見た眼は、すぐ彼方の対崖に、むらがり立っている敵軍を眉の前に感じた。旗さし物や、甲冑で、槍の光が、朝の陽にきらめいているのが、忽として、山霊のふところから湧き出た雲の如く見えた。秀吉の姿は目撃されないまでも、秀吉のそこに在ることが証せられていた。

秀吉勢の方向を、急に、これへ招いてしまったものは、他の何らの原因でもない。勝政自体の動きであった。

彼の麾下三千が、遽かに、飯浦坂を去って、堀切から西の峰へ退き始めたことを、逸早く偵知した羽柴方の大物見が、これを秀吉に報じたので、秀吉は、

「それこそ、三左衛門(柴田勝政)よ。よい獲物。討ちもらすな」

と、すぐ物頭に令し、七手の鉄砲組を先に急派して、峰の岨路や谷の木蔭などに足場を取らせておいたのである。