Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

近衛殿あたりでさえも、年に一度の式日に、賓客が馳走を眺めて、口に入れられそうな物は、三宝にのっている小豆餅ぐらいな物であったという。

皇子の御在所も、親王家の宮居も、ありやなしやの状態だった。御料の地も、遠国の御田はもとよりのこと、山科とか岩倉あたりの近くの御田や御林まで、野武士や乱逆の郷士らに荒されて、一粒の供御も上がっては来なかった。弊を正す大名が国々にない。その罪を懲らし、大逆の行為を諭してやる司法者もないのである。――まして庶民の中の弱者の田や畑は知るべきであった。

信長は、実に、その折も折に、京都へ微行で出て来たのであった。

どこの国の大名も考えつかないことだった。

いや上洛して、自己の三軍の覇を誇示し、綸旨を仰ぎ、将軍や管領を強迫し、もって八道へ君臨しようという野望家は、ひとり先にその途上で挫折した今川義元があるばかりでなく、宇内いたる所の国々に割拠する大名豪傑の輩が、みな理想としていることではあったが、単身、京都へ上って、将来の計をなそうとするような――そんな身軽な豪胆さは、信長以外に持ち合わせている者はなかった。

彼が、そうして、三公九卿の門に、密かに往来している間に、何らか、後日の政治的な基礎が、一つぶの胚子ほどでも、蒔かれていたことは間違いなかろう。