Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
「いや、それが出来ぬゆえ、臣下として、われわれは苦しむのだ」
「なぜ」
「義龍様は道三様の立てた御嫡子ではないか。道三様が御主君なら義龍様も御主君であらせられる」
「でも、敵となれば」
「浅ましい。御父子のおん仲に、左様な弓矢が交わされてよいものか。天が下、鳥獣の類すらだに」
「面倒だ。帰れ、帰れッ」
「帰らぬ」
「なに」
「弥平治が、これへ来るまでは帰らぬ」
慇懃だとばかり思っていたこの青年の声に、七内は、その時初めて断乎とした力を耳に聞いた。
また、小脇に引っ提げている一槍の鋭い気ぐみを、その眼に見た。
ところへ。
「十兵衛どの、そこにか!」
と、息を喘って、駈けて来た若い武士がある。待ちかねていた弥平治光春だった。
「おうッ、これにおるッ。弥平治どのだの。御城内の決定、如何になったか」
「残念だが……」
弥平治は、肩で喘ぎながら、従兄弟の手を握って、唇を噛んだ。
「御主君には、何としても、お聞き入れはないのだ。道三様のみかお父上もまた、部屋住の分際で、お汝らが知ったことではないと――」
「叔父御までが」
「かえって、ひどい御立腹。――でも、死を賭して、今まで頑張っていたが、やがて鷺山一円では、密かに、出兵の備えらしく、凡ならぬ様子が見えたに依って、御城下に火の手が揚っては、もはや大事と、駒を急がせて、戻って来た。