Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans

Aozora Bunko

と、訊ねた。

家臣たちはほっと気を安めた。

五郎左は、微笑の顔を、すこし上げて、

「お目にとまりましたか。実はてまえも、いささか誇りといたす愛馬で、南部の馬商人が、京の貴人へ、高値に売るとて、都へ曳いて上るのを、強って所望いたしたものにございまする。――が、値ほどな金子を持ち合わぬ身、よんどころなく、父より貰いおきました『野分』と銘のある家宝の茶を売り払い、それにて求めましたので、鹿毛の名もそのまま、野分と名づけて飼い馴れておりまする」

「ふむ……。そうか。いや道理で、近ごろ優れた名馬とわしも見た。五郎左、あの野分、信長が所望じゃ。信長にくれい」

「は……」

「よかろう。値はいくらでも取らすであろう。信長が貰うておくぞ」

「……いや。恐れながら」

「なんじゃ」

「お断りいたしまする」

「いけないのか」

「はい」

「なぜじゃ。そちはまた、よい駒をさがせばよかろう」

「よい友は求め難いように、よい駒も、そうあるものではございませぬ」

「だから信長に譲れというのじゃ。信長とても、乗りつぶれぬ程な逸駿を、心がけていた折じゃ。強って望む」

「強ってお断りいたしまする。――何となれば、てまえの愛馬は、ただてまえの自慢や遊び事の備えではございませぬ。