Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じつげつボール
日月ボール
小川 未明
Lisez 日月ボール (じつげつボール) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 923 caractères · 6 écrans
孝ちゃんの、近所に住んでいる自動車屋の主人は、変わった人でした。ぼろ自動車を一台しか持っていません。それを自分が、毎日運転して、町の中を走っているのでした。
この自動車も、もとは、りっぱなものでした。主人の清さんが、若い時分、金持ちの運転手を長くつとめていて、やめるときに、金持ちが、その自動車をくれたのでした。それから、何年たったでしょう。
欲のない清さんは、金をためるということをしませんでした。自動車は、だんだん古くなり、破れてきたけれど、新しいのを買うお金はなかったのでした。
この清さんには、いろいろなおかしい話があります。ある日のこと、ひまで困っていました。そこへ美しいモダンガールがやってきました。
「汚い、自動車なのね。いいわ、すぐにやってちょうだい。」と、女はいいました。
「お嬢さん、走るのに、かわりはありません。」と、清さんはにくたれ口をききました。
自動車が走っている間に、美しいお嬢さんは、真っ赤な手さげをあけて、香水のびんを出しました。
その香水の匂いが、たいへんに、いい香いだったとみえて清さんは、運転しながら、夢を見るような気持ちになって、どこを走っているのだか、ぼんやりしました。