Classiques japonais avec furigana
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Lisez 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 092 caractères · 45 écrans
されど夢ごころには、姫がこれにのりたるを、よのつねのことのように覚えて、しばしまた眺めたるに、姫とおもいしは「スフィンクス」の首にて、瞳なき目なかば開きたり。馬と見しは前足おとなしく並べたる獅子なり。さてこの「スフィンクス」の頭の上には、鸚鵡とまりて、わが面を見て笑うさまいと憎し。
つとめて起き、窓おしあくれば、朝日の光対岸の林を染め、そよ風はムルデの河づらに細紋をえがき、水に近き草原には、ひと群れの羊あり。萌黄色の「キッテル」という衣短く、黒き臑をあらわしたる童、身の丈きわめて低きが、おどろなす赤髪ふり乱して、手に持ちたる鞭おもしろげに鳴らしぬ。
この日は朝の珈琲を部屋にて飲み、午ごろ大隊長とともにグリンマというところの銃猟仲間の会堂にゆきて演習見に来たまいぬる国王の宴にあずかるべきはずなれば、正服着て待つほどに、あるじの伯は馬車を借して階の上まで見送りぬ。われは外国士官というをもて、将官、佐官をのみつどうるきょうの会に招かれしが、メエルハイムは城に残りき。田舎なれど会堂おもいのほかに美しく、食卓の器は王宮よりはこび来ぬとて、純銀の皿、マイセン焼の陶ものなどあり。