Classiques japonais avec furigana
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はんぎゃく
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
矢田 津世子
Lisez 日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三) (はんぎゃく) de 矢田 津世子 (やだつせこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 512 caractères · 34 écrans
「どうだね、あんたはどっちがいいの、銀行にいるならいるでその方法を講じ度いと思うしね、他なら他で丁度婦人記者を探してるところがあるから、何ァに給料のことは心配せんでも、その点は私が保証してさしあげますよ。だがこのことは私の肚一つの裁断だからその点お含みをな。」
「まァ部長さん、貴方は仲々どうして、老練なドン・ジュアンですわ。私に附いてる真赤なトレードマークがお気に召すなんて、余程の悪食家ですわね。ホホホ……同じプレミアム附でも、私のは爆裂弾かもしれませんわ。それに、生憎、私、貴方の別荘の所在地が気に入りませんしね。お気の毒ですけど、じゃァ左様なら。」
胸を張って、昂然と、槇子は部屋を出て行った。
* * *
「どうして? ばかに遅かったわね。」
昼食時刻を、祥子は槇子を待ちあぐんでいた。
「とうとうこれなの。」
クルクル指で弄んでいた紙で、槇子は威勢よく首筋を切った。
「原因は?」
彼女の手から紙をり取って、それへ眼を馳せ乍ら、祥子は青白んだ皮膚をビリビリ慄わせた。
「Sの研究会で犬に嗅がれたのが直接の原因らしいわ。あの時、煙に巻けァよかったんだけどね。