Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おちば

日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)

木村 好子

Lisez 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) (おちば) de 木村 好子 (きむらよしこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 056 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

兄ちゃん

吹きっさらしの田圃には

もう、村の誰も出ていない

だのに、私の家では麦蒔きがすまない

取り入れ半ばに兄ちゃんが召集されて

あとに残った女手二つ

私とおっ母とであくせくと麦蒔き

毎日、朝早くから晩おそくまで

かたい刈株をうちかえし、うねをつくり

せっせと蒔きつけを急ぐ私達――

かよわい女手で、夕方、ぐったり疲れて家に帰れば

地主の奴が、がみがみ年貢を取りたてにやってくる

おお兄ちゃんが満州へ引ったてられて行ってから

急に、めっきりやつれたおっ母

老いさらぼけたそのやせ腕に

ふり上げる一鍬一鍬!

私の胸は戦争への憎しみを深める

勝っても、負けても、戦争が私達に楽な生活をよこしはすまいに

働き盛りの貧農の息子を奪って

み国の為にと殺し合せるなんて………

あああの寒い満州でたたかう兄ちゃん!

兄ちゃんの身は無事かしら

私はおっ母をいたわりはげまし

兄ちゃんのかわりにせっせと働くけれども――

戦争への憎悪で、全身はわななく。

(『プロレタリア詩』一九三一年十二月号に発表)