Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おふくろへ
日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
槙本 楠郎
Lisez 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二) (おふくろへ) de 槙本 楠郎 (まきもとくすろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 061 caractères · 6 écrans
さらわれた兄よ
まるで野中の鶏小舎を襲う野犬のように
奴等は一言も吠えず踏込んで来た
寝ていた兄はガバとはね起き
突嗟に雨戸を押倒して奴等を踏みつけた
けれど奴等は一人ではなかった
すぐ躍りかかる奴があった
兄は組み敷かれた
兄は引っ立てられた
奴等は遂に兄をかっぱらって行ってしまったのだ
それは今朝の五時頃だった
うす明りの今
藁屋根に下る牙のような氷柱は
しずかにとけて唇を指ではじくような
しめっぽいやわらかい音を立てている
踏みにじられた貧しい住居は
古蒲団に泥靴の痕を残し
兄の寝床は藻抜けのまま冷え冷えとさらされている
妾はただ一人だ
お櫃の飯は柘榴の実のように凍り
湯をかけても喉をこさない
しずかに天井を鼠が走り
茶碗の湯気が頬を撫でる
妾はくやしさで胸が一ぱいだ
何故「兄弟」に呼びかけることが悪いのか?
何故わたしたちが自分たちの党をつくり
党を守ることが悪いのか?
兄よ
さらわれて行った兄よ
あなたの後へはすぐ続く者がある筈だ
あなたをこぼれ種子に捨て置く筈がどうしてありましょう
どうかお心丈夫に
わたしたちも今にこのしかえしはして見せる
奴等を迎え討つ!
それはわたしたちの力の充実した