Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にっき

日記

宮本 百合子

Lisez 日記 (にっき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 447 caractères · 76 écrans

Aozora Bunko

三月十八日

三月二十一日

かじかんだ景物がフト東京を恋しく思い出させた。郡山はかなりあったかだ。十六日には雪が降ったのだそうだ。丁度俥にのった頃、どうしたのか、日光が雲に遮られて、極光のように幾条にも幾条にも分れて、御光のように光って居た。大変珍しい。凄い美くしさであった。

三月十八日(日曜)

思ったより幾層倍かあったかい。起きてから、道男と池の周囲を廻る。大変快い。地面のしめったのも池の大きくなったのも、皆心持がいい。

三月二十一日(水曜)

このごろは自分の心の中に、春の芽生みがしのび込んで居る。とりとめのないメランコリーが折々自分を占領して涙をこぼさせる。自分のこの大きな幸福にともなった大きな不幸。自分はすべての友達である。只友達で永久にすぎなければならない。自分の裡で火をもやして居るこの激しい情熱は、何かの対象が出来ると、すぐ色あせて失望し、うんざりして仕舞う。今より馬鹿で人を恋せた時代は幸福である。すべてを忘れ、すべてを――自我を全々没却して、恋せた時代は少くとも今より恍惚の時があった。けれども、今は、もっと深いうれしい恍惚が与えられる代り、もっと苦しまなければならない。