Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lisez 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 045 caractères · 322 écrans
静岡へいったからとて何の当があるのではなし、百姓泣かせがいちどきに流れこんだのだった。命と体だけを積んでもらった故、勿論たいしたものは持ってゆきはしない、家財はみんな捨てていったのだ――こんな時だとて、上のものの方はどうにかなったであろうが、耕す土地とてそうあろうわけはなし、無禄無扶持になった小殿様たちは、三百年の太平逸楽に奢って、細身の刀も重いといった連中である。忽ちにして畑の芋盗人となり、奥方は賃仕事をして糊口をしのいだ。
湯川氏の家では不用になった袴が商品に化けた。仙台平や博多の財袋がつくられて売られた。お百姓がお客様なのであるが、売手に怖れて近寄らないのと、売る方でも気まりが悪いので、七夕の星まつりのように篠の枝へ幾個もくくりつけて、百姓の通る道ばたに出しておいて銭に代えた。
幕府の瓦解は御直参と威張った旗本、御家人の墜落ばかりでなく、大名も廃藩置県となったから、湯川の姉娘も帰ってきた。ともかく、わびしさのつづく中に振り袖姿の年頃の娘を見る事は親たちは嬉しかった。この娘だけが失わずにいた衣装道具を、失わさずにおかせたいと思った。とはいえ用捨なく生活の代は詰るばかりである。