Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lisez 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 045 caractères · 322 écrans
」
そう言いたかったのだ、お金で――金のねうちを知らない子供には、物品とおなじように金で子供を売ってしまう親がただ憎かったのだ。それを褒めそやす自分の親たちがなお憎かった、厭だった。子供はもっともっと親をよく思っているのに――私はやりどころのないわびしさを従姉にむけて睨めつけた。従姉は、蝶々髷を光らせて、私の眼を避けてうつむいた。上から釣るされている大洋燈の灯に、蝶々の簪がペカペカした。
この下地ッ子が、二、三年たってから、盆暮れの宿下りに母親につれられて来て、柳橋へ帰るかえりに寄った。緋の板〆縮緬に鶯色の繻子の昼夜帯を、ぬき衣紋の背中にお太鼓に結んで、反った唐人髷に結ってきたが、帰りしなには、差櫛や珊瑚珠のついた鼈甲の簪を懐紙につつんで帯の間へ大事そうにしまいこみ、褄さきを帯止めにはさんで、お尻をはしょった。
私はさびしい気持でそれを眺めていた。私の着物を従姉が着るのでよけい親しみが深かったのに、なんとなくその日の従姉は私から離れていってしまっていた。おあさちゃんの体の方が借りものになって、着物や簪の方が巾をきかせていた。
その頃になって、藤木さんの世帯は、すこしばかりゆとりが出来た様子になった。