Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lisez 早稲田大学 (わせだだいがく) de 尾崎 士郎 (おざきしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 204 caractères · 220 écrans
「どけぇゆきんしゃる?」。
先きに立った岩木がびくっと肩をうしろへ引いた。
「何じゃい、――的野(来島の旧姓)じゃなかか、そげんとこで何しよっとか?」。
岩木にも木村にも来島はもう半歳ちかく会っていなかった(同志といってもずっと先輩格で、彼等はそれぞれ家もあれば女房もある独立した生活者なのである)。
「東京へゆくとこです、――養家先ば離縁になってなあ、着のみ着のままじゃが」。
恒喜は眩しそうに視線を門司の港の方へ向けながら虚ろな声で笑いだした。
「冗談じゃろが?」。
鼻の下にうす髭を生やした岩木は白い詰襟の夏服のボタンをはずしたまま、腰にぶら下っている煙草入の中から銀の煙管をぬきだした。
「うんにゃ、――ほんなことい、東京へ行て、また八百屋でもやろう思うてな」。
「おい、人を嘲弄すんな、ほんなことを言え、貴様が生活なぞを気にする男か」。
木村が眼鏡越しに眼をチカチカと輝やかすと、来島はふふん、――と嘯くように口を尖らしたが、すぐ相好を崩して笑いだした。「無茶を言いなさんな、わしだって飯を食わにゃ生きとられん」。
「頭山んとこへゆくとじゃろう?」。
と岩木が言った。