Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 831 caractères · 396 écrans
「吉原の三浦屋はこの寺の檀家であったそうで、その縁故で高尾の碁盤と将棋盤を納めたと云うことになっています。高尾は初代といい、二代目といい、確かなことは判りませんが、ともかくも古い物で、わたくしも一度見たことがあります。今でも寺の什器になっている筈ですから、あなたなぞは一度御覧になってもいいと思います。いや、その碁盤で思い出しましたが、ここに又、薄雲の碁盤というのがありました」
「それも養玉院にあるんですか」
「違います。その碁盤は深川六間堀の柘榴伊勢屋という質屋から出たのです」と、老人は説明した。「ところで、その碁盤については怪談めいた由来話が付きまとっているのです。御承知の通り、高尾と薄雲、これが昔から吉原の遊女の代表のように云われていますが、どちらも京町の三浦屋の抱妓で、その薄雲は玉という一匹の猫を飼っていました。すると、ある時その猫が何かにじゃれて、床の間に飛びあがったはずみに、そこに置いてある碁盤に爪を引っかけて、横手の金蒔絵に疵を付けました。もちろん大きな疵でもなく、薄雲もふだんからその猫を可愛がっているので、別に叱りもしないで其のままにして置きました」