Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 831 caractères · 396 écrans
……すると、そこらに遊んでいた二人の子供がわっと云って駈けて行く。ひとりは赤ん坊を負っている十四、五の女の児、ひとりは十一、二の男の児で、どっちも慌ててその魚を拾おうとする。こうなっちゃあ鷺も降りて来ることは出来ない。人間同士の取りっこです。
年上だけに女の児が素早く拾ったのを、男の児がまた取ろうとする。女の児はやるまいとする。両方が泣き顔になって一生懸命です。しょせんは子供同士の獲物争い、笑って見て通ればそれ迄ですが、ただ見過ごせないのが私の性分で、怪我でもするといけないから留めてやれと幸次郎に云いますと、幸次郎は駈けて行って二人を引き分けました。いくら相手が子供でも、留男に出た以上は唯は済みません。女の児が先に拾ったのだから、魚は女の児にやらなけりゃいけない。その代りにお前にはこれをやると云って、幸次郎が三文か四文の銭を渡すと、男の児は大よろこびで承知しました。
しかし、この子供たちはふだんから仲が悪いのか、それとも魚を取られたのが口惜しいのか、男の児は相手の女の児を指さして、こいつの家へはお化けが出るんだよ。やあお化けだ、お化けだと呶鳴りながら、一目散に逃げて行きました。