Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つきのまつやま

月の松山

山本 周五郎

Lisez 月の松山 (つきのまつやま) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 451 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

五

ものだ、あのとき感じた嫉妬を忘れるな、もっと卑しくなれ、もっと、――あの泰二郎のやつ」孝也は枕の上で頭を振った、「なれるとも、いくらでも卑しくなってみせる、救いのない悲しみよりも、軽蔑のほうが桂にとっては楽な筈だ、そしておれのためにも」

つむっている彼の眼尻から、枕の上へ、涙が糸をひいた。喉が嗚咽で詰った。

孝也は眼にみえて変りだした。

特に泰二郎へ稽古をつけるときの、烈しさと仮借なさとは徹底的で、少しでも気にいらないと、頭ごなしに罵倒するし、泰二郎がどんなに疲れても、自分で納得するまでは稽古をやめさせなかった。もちろん自分だけが相手をするのではない、庄司勇之助、益島弁三郎、宮原忠兵衛の三人にも代る代る相手をさせ、付いていて辛辣に手直しをする、しかも日の経つにしたがって、自分が木剣を取ることは少なくなり、大抵のばあい三人に相手をさせた。そんなぐあいなので、泰二郎はしだいに過労が重なり、四月にはいると躰力の消耗がめだってきた。

五

泰二郎は音をあげなかった。彼は意地になっていた、「倒れるまでやってやるぞ」と思っているようであった。しかし三人は見るに耐えなくなったらしい、或る日、かれらは泰二郎の相手をすることを拒んだ。