Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つきのまつやま

月の松山

山本 周五郎

Lisez 月の松山 (つきのまつやま) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 451 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

登って来た斜面はまだ薄暗かったが、平らにひらけたそこはすっかり明るく、靄は地面を這っているだけであった。孝也は西の空を仰いで、光りをなくした白い月を見た。

砦跡の道へ寄ったほうに、日野と大道寺が立っていた。

かれらは来ていたのである。かれらはすでに来ていて、馬の嘶きを聞きつけ、孝也の来たことを知り、孝也の現われるのを待っていたのであった。孝也が二人を認めたとき、二人はこっちへ向って歩きだした。大道寺は右、日野は左、九尺ばかり離れて近づいて来る。

孝也もすり足で前へ出ていった。

「なるほど」と日野数右衛門が云った、「なるほど一人だな、あっぱれだ」

孝也は黙って進んだ。一歩、一歩と、すり足で、静かに、――二人は足を停めた。間隔はほぼ四間、大道寺が抜き、日野が抜いた。大道寺九十郎の刀は寸延び厚重ねの剛刀であった。孝也も抜いた。

「いいか」日野数右衛門が云った、「云うことはないか」

孝也は黙って、なお前へ進んだ。間合が二間ばかりになったとき、孝也が云った。

「数右衛門」と彼は云った、「おれの教えた手を忘れるな」

日野の唇がまくれて歯が見えた。大道寺が前へ出た、大道寺は(右側から)仕掛ける姿勢をみせた。