Classiques japonais avec furigana
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ほんちょうへんたいそうれいし
本朝変態葬礼史
中山 太郎
Lisez 本朝変態葬礼史 (ほんちょうへんたいそうれいし) de 中山 太郎 (なかやまたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 960 caractères · 24 écrans
辺土に残っている不思議な葬礼
辺土に残っている不思議な葬礼
弔と云う字は、大昔に人が弓を携えて葬儀に列したので、それを象形したのであると聞いている。勿論、これは文字の製造元である支那の故事であるが、我国でも葬礼に弓を用いる習俗は各地にある。栃木県河内郡豊郷村では会葬者は弓を持つと云うし、宮崎県の米良山の山村でも同じく弓を持つと物の本に載せてある。しかしこの習俗が支那からの伝来か否かは判然せぬと同時に、何のために持つかも分明せぬ。しかるに高知県長岡郡豊永郷の葬儀は、その方法がすこぶる異態であって、かつ弓を用いる作法も詳しく知れるので、少し長文になるが、左にその要点だけを摘録する。
豊永郷にては死人あれば、身近き者死人の枕を蹴外し少しく寝所を移すなり。墓を定むるには彼の蹴外したる枕を持ち行きて、爰ぞと思う所に彼の枕を据え置き、『地神様より六尺四面買取り申す』とて、銭四文を四方へ投げて定むるなり。これ地神を汚さぬ為めなりと云う。遺骸を棺に納むるとき身近き者死人に向い、『普請をするぞよ、相普請ではないぞよ』と言いかくるなり。これを言わざれば其の年は家作りは元より、葺替え造作田地開発などの類些かならずとせり。