Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans
……幕府では物価の昂騰を抑えたが、日雇賃を上げることを禁じた。物価はそのままだったが、じっさいになると商人たちは品物を隠して出さない、ぜひ買うには高い代価を払わなければならぬ。だが日雇賃には裏がなかった、今もっとも忙しい大工や左官でさえ、手間賃のきびしい制限をうけた。これは一般の購買力を低くすると同時に、しぜん小さな商工業へもつよく影響した。じみちなあきないやまともな稼ぎでは、その日くらしも満足にはできなくなっていった。世帯をしまう者、夜逃げをする者、乞食が殖え、飢える者が出はじめた。
「浅草寺の境内にまたゆき倒れが五人もあったってさ」
「なかに死んだ赤ん坊を負った女がいたそうじゃないの、まだ若いんだって、そばには御亭主も倒れていたけれど、動かせないほどのひどい病人だったって話よ」
「いやだねえ、昨日は御厩河岸に親子の抱き合い心中があがったし、なんて世の中だろう」
「いつになっても泣くのは貧乏人ばかりさ、ひとごとじゃあないよ」
そんな話が毎日のように出た。
三月になって年号が宝永と改まった。ちょうど季節が春であったし、この改元は新しい希望を約束するようで、いっとき世間が明るくなったように見えた。