Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

「どうして、庄さん、どうしてそんな」

「おまえは、あんなに約束した、待っているって、おれの帰るのを待っているって、おれはそれを信じていたぜ、お前の云うことだけは信じられると思って、それこそ冷飯に香こで寝る眼も惜しんで稼いでいたんだぜ」

「だってあたし、どうして、……あたしちゃんと待ったじゃないの」

「じゃあ、あの子は、誰の子だ」庄吉はあからさまな怒りの眼で云った、「――地震と火事のあとで水害、困っているだろうと思って帰って来たんだ、ところがどうだ、断わっておくが云いわけはやめて呉れよ、おれは、みんな聞いたんだ、おまえの家が幸太の御妾宅だと評判されていたことも、そしておまえが幸太の子を産んだことも」

おせんは笑いだした。余りに意外だったからであろう、自分ではそんな意識なしにとつぜん笑いがこみあげてきたのだ、しかし表情は泣くよりもするどく歪んでいた。

「笑うなら笑うがいい、おまえにはさぞおれが馬鹿にみえるだろう」

「あたしが幸さんの子を産んだなんて、あんまりじゃないの、そんなばかな話、まさか本当だなんて思やしないでしょう」

「云いわけは断わると云ってあるぜ、自分で近所まわりを聞いてみるがいい、幸太がおまえの家へいりびたりということは、去年の春あたりもう耳にはいってた、それでもおれは大丈夫まちがいはないと思ってたんだ、――