Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans
洪水の夜、逃げるときにお常から預かったものである、勘十夫妻の身寄りの者でも来たら渡そうと、手もつけずに納っておいたのであるが、今日になるまでそんな人もあらわれず、いま幸太郎に付けてやる物がなにも無いので、ふと思いついて出してみた。――それはお常の物であった、さほど高価な品ではないが、まだ新しい鼠小紋の小袖や、太織縞の袷や、厚板の緞子の帯や、若いころ着たらしい華やかな色の長襦袢などが、手入れよく十二三品あった。おせんは太織縞の袷二枚と長襦袢を二枚わけ、手拭を三筋と、洗った子供の物と、玩具や飴などをひと包にし、でかけるしたくが終ってから、子供と二人で食卓についた。
「さあたまたまのうまよ、おいちいのよ、幸坊、たくちゃん喰べてね」
「たまたまね、はは」子供は木の匙でお膳の上を叩き、えくぼをよらせてうれしそうに声をあげた、「――こうぼ、うまうまよ、ああちゃんいい子ね、たまたま、めっ」
「あら、たまたまいい子でちょ、幸坊においちいおいちいするんですもの、ああちゃん悪い子、ああちゃん、めっ」
「ああちゃんいい子よ、ばぶ」子供はこわい顔をする、おせんはいつもいい子でないといけない、おせんが自分を叱ってみせたりすると子供は必ず怒る、「――ああちゃん、わるい子、ないよ、いやあよ、ああちゃんいい子よ」