Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans
おせんはこう確信した。庄吉がおせんを疑っている気持はよくわかる、そして自分にはその疑いを解く証拠がない。大阪という遠いところにいて、飛脚屋の権二郎からたびたび忌わしい話を聞き、帰って来て現におせんが子を抱いているのを見たのだ。ここにもし多少の証拠があって、このとおりであると並べてみせることが出来たとしても、それで庄吉の疑いがきれいに解けはしないだろう。
――本当のことはいつかはわかる筈よ、あたし待っていてよ、庄さん。
あのときおせんはこう云った。深く考えて云ったのでない、しぜんに口を衝いて出た叫びであった。そしてそれがいちばん慥かであり、必ずそのときが来るに違いないと思った。愛情には疑いが付きものである、同時にいちどそのときが来れば了解も早い、じたばたしないで待っていよう。こういう風に思案をきめていたのであった。
松造の帰った翌日、おせんは彼の置いていった銭に幾らか足して大きな犬張子を買い、それを持って友助の家へ礼にいった。橋からはいって長屋のほうへゆくと、新しい木の香が噎っぽく匂ってきた。おせんは切ないような気持で脇へ向いた、庄吉と悲しい問答をしたときのことが、その匂いからまざまざと思いうかんだのである。