Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

おせんはつよい感動を与えられた、今までわからなかった松造の気持がわかったばかりではない、それは亡くなったお常の親切が続いているのである、正気を失くして道に飢えていた自分を拾い、飲み食い着る物の面倒をいとわず、丈夫になるまで親身に世話をして呉れた、その妹の気持を続けて呉れるというのだ。……友助夫妻に離れられ、お地蔵さまの縁日の事があってからは近所で口をきく者もない。自分はたった独りだと思っていた。松造の親切もどこまで真実であるか、いつまで続くものかはわからない、しかしとにかく今は自分の味方である、自分のためになにかをして呉れようとしている。どんなに世間からみすてられても、生きていればやっぱり人間は独りではなかった。――感動のあとの温かい気持で、世の中や人間同志のつながりのふしぎさを、おせんはしみじみと思いめぐらすのであった。

おせんの物を着ていったまま、おもんはふっつりと姿をみせなくなった。おせんは彼女の泥まみれの着物を洗って干し、綻びも縫いつくろって置いた。自分の物が一枚なくなったのは困るけれど、松造の云ったことを信じてよければお常の物が使えるので、そう慌てることはないと思った。