Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

――だがとうとう、もう来て呉れるなと云われてしまったっけ、……そう云われたときの気持がどんなに苦しかったか、おせんちゃんおまえにはわかるまい、おれは苦しかった、息もつけないほど苦しかった、……おせんちゃん、おれは本当に苦しかったぜ。

おせんは喉を絞るように噎びあげた。

「幸太さんわかってよ、あんたがどんなに苦しかったか、あたしには、今ようくわかってよ」

今はすべてが明らかにわかる、自分を本当に愛して呉れたのは幸太であった。少年の頃から向う気のつよい性質で、そぶりも言葉つきもぶっきらぼうだった。もの詣でとか芝居見物にゆくとかすると、必ずおせんになにかしら土産を買って来るが、それを呉れるときには「ほら取んな」などと云って、わざと乱暴にふるまうのが常だった。せっかく呉れるのならもう少しやさしく云って呉れたらいいのに、そう思いながらおせんのほうでも、なにか頼むことがあればきっと幸太に頼んでいた。そしてどんな詰らない頼みでも、彼は必ず頼んだ以上のことをして呉れたではないか、――お祖父さんに寝つかれてからのゆき届いた心づくし、こちらは嬉しそうな顔もせず、しまいには来て呉れるな、とさえ云った、男にとっては耐え難いあいそづかしだったろう。