Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans
なんと云って家を出よう。そんなことは初めてなので、怖いようでもあるし、お祖父さんに嘘を云うことが辛かった。けれども頭のなかでは庄吉の蒼ざめた顔や、思い詰めたようなうわずった眼や、旅に出るという言葉などが、くるくると渦を巻くように明滅し、彼女の心をはげしくせきたてた。……そうだ、おせんは爼板の上の青じそを見てふと気づいた。柳原堤へいつも出るはしり物屋がある、このあいだ通りかかったら独活があった、あれを買って来てつまにしよう、駆けてゆけば庄吉の話を聞くひまくらいはあるだろう、おせんは前垂で手を拭きながら台所からあがった。
「お祖父さん、ちょっといって鯵のつまにする物を買って来ますよ」
「鯵のつまだって」源六は砥石から眼をあげずに云った、「……つまなんか有合せで結構だぜ、あんまり気取られると膳が高くなっていかねえ」
「それほどの物じゃありませんよ、すぐ帰って来ますからね」
そしてなおなにか呼びかけられるのを恐れるように、店の脇から出て小走りに通りのほうへ急いでいった。……中通りをまっすぐにつき当ると第六天の社である、柳原へはそこを右へ曲るのだが、おせんは左へ折れ、平右衛門町をぬけて大川端へ出た。