Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 073 caractères · 223 écrans
達弥の知りあった奥女中、雅楽頭づきの腰元で、滝尾という者の本姓だと書いてあった。
――あの席に滝尾がいた。
それは甲斐がその眼で見た。するとこの男は滝尾の兄か、まさか夫婦ではあるまい、兄妹であろうが、そうだとして、まえにあの女を見た記憶のあるのは、どこでだろう、こう思いながら、甲斐は六郎兵衛の顔を眺めていた。
「私がなぜ、酒宴の席の出来事を知っているか、原田さんには興味がありませんか」
「ないね」と甲斐はゆっくり云った、「滝尾にはまえに会って、顔を覚えているからね」
六郎兵衛は「あ」という眼をした。危うく声をだしそうであった。甲斐が妹のことを知っていようとは、それこそ夢にもおもわなかったので、とつぜん平手打ちでもくったような感じを受けた。
「なるほど」と六郎兵衛は頷いた、「さすがに、酒井侯のおそれるだけあって、原田さんは底の知れないお人ですな」
「どうぞ」と甲斐は盃へ手を振った。
まあ飲めという手ぶりである。六郎兵衛はすっかり圧倒されたようすで、顔をひきしめながら甲斐に云った。
「では単直に申しましょう、私が妹を酒井家へ入れたのは、一ノ関と雅楽頭との通謀をさぐりだすのが目的です」