Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 181 caractères · 219 écrans
仕方がありませんから、どうかこうか通じると思われる片仮名で、私は看護婦にも頼み、自分でも時々手紙を書いてみました。
が、本字を一字も使わずに、片仮名だけで書くということが、外国語を使うよりも、どんなにムズカシクテ、はかの行かないものであるかということは、先生もよくおわかりでしょう? 二、三字書くと、本字が出て、慌てて消し、また三、四行続けると、本字や平仮名が出てその部分を消し、消しては書き、消しては書きして真っ黒になって、仕方がありませんから清書して出すのですが、これでは到底詳しい事情や、こまかい意思なぞの現わせるものではありません。
ワタクシハマタベウキ……ハはワでなければならず、病気もベウキと書いては、二人には判じられないのです。ビヨウキと直さなければなりません。ココノベウインニニユウインシテイマス……ただそれくらいのほんの切り詰めた用件を知らせるだけが、精一杯です。
「ベウインじゃ駄目だ、ビヨウインと書かなきゃ駄目だといってるじゃないか!」
と、何度癇癪を起して、私は看護婦をドナリつけたか知れません。
早く逢いたい! 逢いさえすれば、アレもいおう、コレも話そう……ついでに、片仮名で手紙の書けなかったわけも話そう……と諦めて、私はペンを投げ棄ててしまいました。