Classiques japonais avec furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 181 caractères · 219 écrans
家が焼けたことといい、殊に焼け跡や、例の溝渠に夏草の茂っていたことといい、それらに結び付けて、何かジーナやスパセニアの身の上に間違いでも起っているのではなかろうか? と、急に、いても立ってもいられぬ不安な気が起ってきたのです。
道後を夜発って、東水の尾へ着いたのが翌々日の朝の九時頃でした。眩かしい太陽のかんかん照りつけている長い夏の一日を、どんなに夢中になって私が、その辺一帯を足を棒にして歩き回ったかは、到底先生にも想像していただけないであろうと思われます。
いつか姉妹に最初に案内された厩舎へもいってみました。これは以前のままに残っていましたが、もうそこに馬は、一頭もいませんでした。ガランとした煉瓦建ての厩のみが、真昼の直射を浴びて立っているばかりです。厩舎に付属した和室には、馬丁の福次郎が住んでいると聞いていましたから、そこの戸も引き開けてみました。が、誰も人の住んでいるけはいはありません。キチンと片付いて、何一つ道具とてもない黴だらけの琉球畳だけが、白々と光っているばかりです。
ジーナと語り合った柳沼へも、足を運んでみました。湖の面は、相変らず肌寒い水を漫々と湛えて、幽邃な周囲の山々や、森の緑を泛べて、あの自家発電用の小屋も、水門の傍らに建っています。