Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

Lisez 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 572 caractères · 209 écrans

Aozora Bunko

の出来ないことで、こんな切ない思ひをするなら、いっそほんとに死んだ方が優しであつた」と、さすがの彼もその手記の中で愚痴をこぼしているのを見れば、餘程骨身にこたえたのであろう。それも、そうしているだけでなく、女中たちが、その首を練習用にして、勝手にひねくり廻すのだから、尚たまらない。が、呑気坊主の道阿弥は、やはり何処かに人を喰ったところがあって、そんな苦しみを甞めながら、その時の座敷の有様を出来るだけ注意して観察していた。尤も今も云うように瞳は或る一点を睨みつめたまゝであり、纔かに視野に這入って来るものを眼の角に感じたゞけであるが、それでいて彼は人々の様子に気を配り、部屋の中に起ったいろ/\のことを、見たり聴いたりしていたのである。

図

「首になった道阿弥」が最も奇異に感じたのは、瑞雲院様、―――河内介が、此の馬鹿々々しい首装束の実地講習に、何処迄も大真面目になっていることであった。女中共は、例の櫛の峰を以て道阿弥の頭の頂辺をコツコツと叩く時に、彼のあまり一生懸命な死顔の真似が可笑しくなって、つい笑いかけるのであったが、それが聞えると河内介は、

「誰だ? 今笑った者は、―――」