Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
Lisez 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 572 caractères · 209 écrans
と、あわれむように云った。老女としては、それは好意のある憐れみであったけれども、法師丸は此の言葉に侮辱を感じて赧くなりながら、首を振って見せた。そして、
「見たいんだけれど、己には見せてくれないんだよ。子供は二の丸なんぞへ行ってはいけないと云うんだ」
「どなたがそう仰っしゃいますの」
老女は法師丸の、さも不平らしい口ぶりに微笑を含んだ。
「己には附き添いの侍がいるのだよ、それがいろ/\やかましいことを云うもんだから」
そう云ってから、今度は法師丸の方から尋ねた。
「お前たちは、敵の攻め寄せる近くまで見に行ったことがあるんだろうね」
「えゝ、今日のように合戦の忙しいときは、いろ/\お手伝いをいたしますものですから、櫓の上や御門の際までも出て行くことがございます」
「じゃあ、敵を斬り殺して首を取ったりするところが見られるのかい」
「えゝ、えゝ、それは見られます。あまり近くで血を浴びることもございます」
そう云う老女の顔を、法師丸は羨ましそうに見上げた。大人はいゝなあ、女でもそんな所が見られるんだから。―――そう思うと矢も楯もたまらなかった。
「ねえ、己をお前たちの仲へ入れて、明日連れて行っておくれよ」