Classiques japonais avec furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lisez 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 115 959 caractères · 234 écrans
一八
「どうです、もう、いいかげんでよしてはどうです。」
と、見ている兵士の柿本が云った。
工人達は、小山の骨ばった手に握られた濡皮鞭を見て、裸体にひンむかれて、筋肉がぼろぼろにちぎれるほどしぶきをあげられる、場面を眼の裏に描いた。
警察の拷問によくある場面だ。
于の悲鳴と、小山の噛みつける声がも一度した。濡皮鞭が、物体に巻きついた。ピシリ。ピシリ。切れるような音だ。
その時、豪放な、荒っぽい兵士がとび出した。
「よしやがれ! コン畜生! 出来そこないめ!」
兵士は、小山の病的な横ッ面を張りとばした。濡皮鞭を持った小山の骨ばかりの手は、たくましい兵士の腕で、さかさまに、ねじ曲げられた。
「俺等が来とると思って、工人をひどいめにあわしやがったくらいにゃ、承知しねえぞ! ヒョットコ野郎奴!」
小山は、あっけにとられた。
「叩き殺してくれるぞ。ヒョットコ野郎奴!」
兵士は高取だった。
一八
後発部隊が到着した。寄宿舎は狭くなった。
ベッドもなく、藁蒲団もなく、床の上に毛布をのばして、ごった寝にねた。高粱稈のアンペラが破れかけていた。下から南京虫がごそ/\と這い出してくる。