Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lisez 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 115 959 caractères · 234 écrans
と、そのうしろから、ふいに送話器の喇叭状の金具をめがけて、急激に、ドシンと突きつけられた。壁の電話がガチャンと鳴った。鼻が送話器にお多福饅頭のようにはまった。顔の中央は、鼻梁が真中から折れて、喇叭の型に円く窪んでしまった。血の玉がたらたら垂れた。ある者は、十字架に釘づけにされるように、脚を宙に浮かして、アカシヤの幹から枝にかけて縛りつけられた。
「私、生意気者で、油売り、横着者で、悪者で……これが見せしめ……これが見せしめ……。」
アカシヤに縛りつけられた工人は、枝にぶらさがったまま、一千回繰りかえさせられた。うらなりのトマトのような少年工が、その樹の下で、回数をかぞえた。繩が四肢や胴体に喰いこんでいる。もがけば、もがくほど喰いこむ。樹の工人は、息がきれそうに喘いだ。
「私は、生意気者で、……悪者で……ございましたんです。……」喘ぎ喘ぎ風のように、工人は、白い泡と一緒に言葉を吐いた。
――これは、一度兵士達が見つけて以来、勤務について、寄宿舎にいなくなった留守を見はからって敢行された。特務曹長からの注文だったのである。兵士は南軍接近の知らせに、警備手配に忙殺されていた。